社会保険労務士 江尻事務所
(社)日本報連相センター会員(NHC503)
上江田
仕事は指事された通りにやれさえすればいい、というものでもありません。
指事された人にも見通せない状況の変化が起きます。
また、当初の指事自体が100%正しいとは限りません。
以前、ある方が自立と依存についてこのようなお話をされていましたのでご紹介いたします。
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私には苦い経験があります。約20年前某社で課長をやっていたときのことです。
ある件を取締役部長の指示通りに忠実に実行したのですが、結果がまずかったのです。 部長からお叱りを受けて、思わず「ご指示通りにやったのですが・・・」と返しました。 すると、「では、お前は、俺が死ねと言ったら死ぬのか!」と叱られたのです。
ハッと目が覚めました。
その時、主体性と自己責任性を欠いていた自分が見えたのです。
いつの間にか自立を失い、依存的になっていたのです。
いくらこうやれ、ああやれと指事されても、やるのは自分です。自分を見失ってはなりません。
そのために、職業生活の根本的な拠り所を内面に持っているかどうか、自問自答したいものです。
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当初の予定とは状況が変わったとき、あなたはどうしていますか。
A:状況がどうあれ、あくまで当初の指示をやり遂げる
B:状況が変わったのだから、指示通り進めるべきか考える
Bを選ぶことがほとんどかと思いますが、その際に報告の仕方にもレベルがあります。
レベル1. 状況のみを報告する
レベル2. 自分の意見をもった上で「こうしたいと思います」と報告する
レベル3. 複数案を「目的」と照らし合わせて考え、報告する
(さらに上位レベルのレベル4、レベル5といった報告の仕方もあります。)
自分の仕事の目的は自分で明確にしなければなりません。
そのために普段から全体状況や背景事情など情報の共有を深めることを心がけましょう。
報連相の本質は「情報の共有」であり、それを意識して行うためには、目的思考や共有深度などが必要となってきます。そのために、従来の「報連相」とは異なる「真・報連相」は非常に有効です。