社会保険労務士 江尻事務所
有限会社Ejissanキャリア研究所
(社)日本報連相センター会員(NHC503)
上江田 晋作
「報連相」の1つである「相談」は「話し手」だけでなく「受け手」の態度も重要です。
自分の話を相手が真剣に、わかろうとしてきいてくれているときは、 誰しも話しやすいものですし、心が開かれていくものです。 では、どうすれば真剣に聴いているということが、相手に伝わるのでしょうか。
例えば・・・
1. 相手の目を見ながら、きく(笑顔で、ときに真剣な眼差しで)
2. うなずく
3. 相槌を打つ
4. 相手のキーワードを繰り返す
5. 「〜とおっしゃいますと・・・」「それからどうされたのですか」 「他にはないですか」と促しながら、きく
6. 相手の言ったことを要約して確認する 「今、おっしゃったことは ~ ということですか?」 7. 質問しながら、きく(引き出しながら、きく)
8. メモを取りながら、きく
これを『積極的傾聴』といいます。 「あなたの言わんとするところを、 わかろうとして一生懸命きいていますよ」 ということを発信しながらきくことです。 発信者は口だけで発信しているのではありません。
顔に書いてある、という言葉もあるくらい、態度・表情・目線・行動・雰囲気など、 全身で発信しています。
それに対してこちらも全身で聴くことが大切です。ある母娘の事例をご紹介します。
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K子ちゃんは小学校3年生です。いつも算数の成績が悪くて、せいぜい40点か、 よくても60点ぐらいしかとってきません。
この日、85点とったのです。K子ちゃんは答案用紙を手に持って、走って帰ってきました。 「お母さん。85点とったよ!」
あいにくお母さんは、洗濯をしていましたが、その手を休めて、どれどれとK子ちゃんの方を見てみました。
(あっ!この子は走って帰ったのだわ)。娘がハアハアとあらい息をしているので、パッとわかりました。
「お母さん・・・」といって、見上げている目が輝いているのを見たとき、(あっ、私に、 何か言ってほしいんだ)と感じました。
「85点とれて、嬉しいのね。お母さんも嬉しいわ」
思わず声が出ていました。 K子ちゃんは、とても嬉しかった。
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「相談しにくい」「しなければよかった」と思われないためにも、積極的傾聴を取り組んでいきましょう。 また、そうすることで風通しの良い雰囲気を作れるのではないでしょうか。
報連相の本質は「情報の共有」であり、それを意識して行うためには、目的思考や共有深度などが必要となってきます。そのために、従来の「報連相」とは異なる「真・報連相」は非常に有効です。