社会保険労務士 江尻事務所
有限会社Ejissanキャリア研究所
(社)日本報連相センター会員(NHC503)
上江田 晋作
報連相では相手に伝える方法も重要です。今回はその方法についてご紹介します。
●伊藤忠商事(株)の元会長瀬島龍三氏の話し方
瀬島龍三氏は、多方面で幅広い活躍をされた方です。同氏は、説得力のある話し方でも知られています。
聞くところによりますと、瀬島氏はどんな難問でも、「それには、問題点が3つあります」とか、「3つの答えがあります」というように論点を即座に“3つ”に絞られたそうです。
●「3」という数字は、不思議な魅力・魔力を持っています
「3」という数字が、魅力と魔力を持っているようだということは、既に何人もの先達がとりあげておられます。 思いつくままに、3つに分割したもの、3のつくもの、を列挙してみました。
〔過去・現在・未来〕〔問題・原因・対策〕〔上・中・下〕〔大・中・小〕〔縦・横・高さ〕〔金・銀・銅〕〔松・竹・梅〕〔読み・書き・そろばん〕〔第一次産業・第二次産業・第三次産業〕〔長期目標・中期目標・短期目標〕〔三種の神器〕〔天下の三景〕〔三冠王〕〔3人よれば文殊の知恵〕〔報告・連絡・相談〕〔3つの視点〕〔3つの深度〕、・・・・・・
●「3つのステップ」で、わかりやすく、印象に残る報告をしましょう
「わかるということは、分けるということだ」とも言われています。
ものごとを相手の印象に残るように説明するには、「3つに分割」するとよいのです。
わかりやすい効果的な報告の仕方として、
1 はじめに → 2 本論 → 3 まとめ という、「3つのステップ」を身につけましょう。 下記は基本型です。
第1ステップ・・・はじめに ・切り出し(相手の都合を訊く)
「担当の生産ラインの状況を報告したいのですが、今よろしいでしょうか」。
(報告・連絡・相談のどれなのか前もって伝えておくことも効果的です。)
・報告の全体像(あるいは結論)を示す。つまり、本論で述べる3点を予告します。
「報告は3点です。1点目は・・・、2点目は・・・、3点目は・・・です」
(報告内容が1項目だけなら、3つに分けません。2項目なら、あと一つ加えて、3項目にして報告。4項目以上ある場合には、重点3項目にしぼります)
第2ステップ・・・本論
「1点目は、・・・・・です」(結論から述べる)
「2点目は、・・・・・です」(結論から述べる)
「3点目は、・・・・・です」(結論から述べる)
第3ステップ・・・まとめ
本論で報告した3点をもう一度簡潔に述べましょう。
「繰り返します。1つ目は、・・・。2つ目は、・・・。3つ目は、・・・。
以上の3点を報告いたしました。よろしくお願いいたします」
時間のない相手などあらかじめ内容をまとめておくとスムーズに進みます。
普段から意識して取り組めるようにしましょう。
報連相の本質は「情報の共有」であり、それを意識して行うためには、目的思考や共有深度などが必要となってきます。そのために、従来の「報連相」とは異なる「真・報連相」は非常に有効です。