真・報連相ー質の高い仕事の進め方ーvol.09 効率のよい段取り(中間報告)
社会保険労務士江尻事務所
(社)日本報連相センター会員(NHC503)
上江田晋作
効率のよい段取り(中間報告)
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Aさんが任されたイベントの企画案は、明日午前中の会議で発表することになっています。
ところが、なかなか良いアイデアが浮かばなかったAさん、思うように仕事が進まず、
何とか企画として形になったのが今日の昼前。 明日の発表前に、課長と部長の決裁を
仰がなければなりません。そこでB課長のところへ行きます。
Aさん「課長。例の企画書、何とか完成しました。急いで部長の決裁をもらっていただけませんか?」
B課長「おう、ご苦労さん。じゃあ預かっておこう。俺は今からちょっと打ち合わせに出るので、明日までには目をとおして、部長にあげておくよ」
Aさん「え〜っ!課長。それは困ります。明日の朝一の会議で発表しなければいけないんですよ。今から何とか見てもらえませんか?今日中に部長の決裁が欲しいんです」
B課長「おいおい、無理言うなよ」
Aさん、大ピンチです。 ========================================================
これは中間報告の大切さを「知ってはいた」が「わかっていなかった」例です。
自分だけのスケジュールを考えて仕事を進めると、このようなケースが起こり得ます。
企画案の完成が納期ギリギリになりそうだと予測できた時点で、課長に状況を報告し、
決済までの段取りを共有化しておく必要があります。
相手の予定を考慮し、自分の仕事の段取りを調整しましょう。そのために、カレンダーなどのツールを用いて社内で共有できるようにしておくとよいでしょう。
中間報告は以下の3つの場面で必要とされています。
・状況が変わったとき
・長い期間を要する仕事のとき
・その仕事を終了するメドがついたとき
上司の立場からすれば、状況が変化したのに、当初の指示通りに進められると目的が達成できなくなり、困るかもしれません。今、どのような状況にあるのか一言あるだけでも安心できるのです。
また、指示した人にも見通せない状況の変化も起こり得るので、当初の指示が100%正しいとも限りません。ただ「言われた通りにやる」だけでなく、「目的思考」をもって行動することが肝心です。